December 16, 2006

アイスクリームのラムレーズン

 以前とある海辺の観光地で大好物のラムレーズンアイスクリームを大盛にしてもらって自由の女神のトーチよろしく右手で持って歩いていたら背後から滑空してきたカモメが右肩すれすれに飛び過ぎたので驚いてアイスクリームを見たら嘴の痕が深々と残っていた、ということがありました。信じがたいことですが、おそらく奴はラムレーズンをピンポイントで啄んだのでしょう。・・・あくまで仮説ですが。

 ところで、CMの中でクラッシック音楽の1フレーズやそのメロディラインのアレンジなどが使われることがよくありますね。その曲の中でも一番有名なサビの部分が選ばれやすい。小説でも一節だけが切り取られて言葉の断片として使われることがあります。言葉は切り取った部分が短いほど多義的になり、上手く使えば効果も大きい反面、原文の意図からは離れてしまうことも。

 著作権等の権利の問題さえクリアしていれば、優れたメロディやフレーズは蓄えられ繰り返し使われることによって広く末永く行き渡る方がいい。特にせわしない今は、例えば交響曲1曲を30分以上かけて4楽章全部聴く気にはならず、プロがそのエッセンスだけを切り出して現代風にアレンジしてくれた方が親しみやすい。けれどそこからは原曲の全体的な構想はどうしても抜け落ちてしまいます。小説もしかり。サビの一句は切り出してそれだけを眺めるとしばしばクサいけれど、本来はその一句を生かすための下準備の文脈があり、本来は小説全体のなかの一節として生きるように書かれたものだろうと思います。

 スポーツニュースのダイジェストで各チームのフォワード達によるゴール集を見るのとサッカーという競技全体を楽しむのとは少し違う。ラムレーズンだけを取り出してぱくぱく摘み食いするのと時間をかけてゆっくりと食事しアイスクリームまで味わうのとは別。どちらが良いというわけではなく、その両方があることを知る余裕だけは持っていたいと思うわけですよ、カモメ君。

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September 14, 2004

『悪人列伝』

 『悪人列伝』(一)~(四)、『武将列伝』(一)~(六) 海音寺潮五郎、文春文庫

 このごろ夜中にぽつぽつ再読ぐせがついてしまって。
 史伝は史料と評が明快にわかれているので歴史小説よりもクール。でも、立花宗茂と家臣たちの戦いぶりなど読んでいると熱くなるんです、これが。

 武将のほうもいいですが、悪人はまた一段と面白い。
 「世間からで悪人とされている人物」24人の評伝で、名誉を回復したいという人あり、悪でも善でもないただの人あり。そして、悪の中の悪もまたあり。伴大納言、鳥居耀蔵はかなり凄い。
 
 ところで、悪人列伝の二、三巻、池袋のジュンク堂で見かけたときに買っておけばよかったのに、一回見送ったために未入手なのです。絶版とか。本はますます一期一会、なんとか再会できないものかな。

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September 11, 2004

「ドライブ」廃絶運動

  「遊歩人」’04/9の巻頭エッセイで小谷野先生、「「ドライブ」廃絶運動」とはまたあいかわらず思い切ったことを。ドライブ大好き! という人もいて、現在の社会状況ではそれはやっぱり趣味の範囲に立派に納まっているんじゃないかな。先生の暴論、大好きです。(ときどきシャレにならんけど。)

 僕も実は車があまり好きではなくて、ドライブはしないし、公共交通と自転車を推したいんですが、それでも車を持っています。たしかに一人で通勤しているといかにも無駄で気がひけますな。はぁ。

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遊歩人

 昨日本を買ったときにもらった雑誌「遊歩人」'04/9、おもしろいです。
 雑誌はわりと縁遠く感じがちなんですが、8割がた読みました。

 怖いのが苦手なので金田一耕助に関する本も映画も敬遠してきましたが、岩井志麻子のエッセイなど読んでると面白そう。あ、岩井さんもホラーの人ですね。やっぱり手が出ない...。石堂淑郎さんのモーツアルト評、おもしろうてやがて哀しく、しんしん沁みました。「トワイライト・ジャス・バンド」山田正紀に哀しみ笑い。

 三百字小説は「宵宮」と「鬼の卵」が抜群に面白かった。これで300字? と唸ることしばし。
 で、川又さんの一行ネタに虚を衝かれて爆笑。むむ、不覚...。

 この雑誌、ホントは一冊200円なんだよね? 今は普及期間とかで無料らしいけど、システムがまだ不安定なのか書店で聞くとどうもありがた迷惑に感じているみたいです。根づくといいなぁ。

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September 10, 2004

書店にて

 村上春樹の新作を見つけました。
 「アフターダーク」講談社からのハードカバー。

 最近の村上さんの長編、「ねじまき鳥クロニクル」「海辺のカフカ」と新潮社で出版される方が好きで、講談社の前刊「スプートニクの恋人」はあまり好きになれなかったのでしばしためらいましたが、結局買ってきました。これが自分へのプレゼントです。

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